第2次発展・強化経営計画

2026(令和8年度)-2030(令和12年度) 資料ダウンロード

第1章 計画策定にあたって

1 計画策定の背景とねらい

奥州市社会福祉協議会(以下「本会」という。)は、平成18年の設立から20年近い歩みを重ねてきました。これまで、合併後の組織統合や基盤整備を経て、直近の5カ年では「発展・強化経営計画」のもとで組織改革を断行しました。事務機能の集約や本所5課体制への再編、組織のスリム化を通じて、変化する社会情勢に耐えうる強固な経営基盤と安定した法人運営の枠組みを整えてきたところです。

一方で、社会情勢は急速に変化しています。少子高齢化や単身世帯の増加に加え、「8050問題」やダブルケアといった複雑化・複合化した生活課題、さらに身寄りのない高齢者の死後事務支援ニーズなど、従来の枠組みでは対応が困難な新たな課題が顕在化しています。こうした中、令和6年度の「多機関協働事業」受託、そして令和7年度からの「重層的支援体制整備事業」の本格実施という大きな転換点を迎えました。

本計画は、これまての経営基盤整備の成果を継承しつつ、重層的支援体制を地域に根差した形て本格稼働させ、「地域共生社会」の実現を確かなものにするための行動指針として策定します。今後は、集約してきた経営基盤を土台としつつ、住民に最も近い「支所」を地域福祉コーディネーターの活動拠点として再定義し、属性を問わず相談を受け止める「断らない相談窓口」機能を強化します。

あわせて、多様な福祉課題に応え続けるため、法人運営と職員管理・育成の強化を推進します。キャリアステージに応じた育成体系の再構築やデジタル活用による業務効率化を図り、職員が専門性と誇りを持って能力を最大限に発揮できる組織づくりに注力します。令和8年度から12年度まての5か年において、本会の役割を再認識し、住民一人ひとりの暮らしを支える強固な組織運営を目指してまいります。

2 計画の期間

本計画は令和8年度から令和12年度まての5年間とします。

3 計画の位置づけ

全国社会福祉協議会が令和7年(2025年)3月に策定した「社会福祉協議会基本要項2025」は、社協の使命を「地域の関係者と協働して『ともに生きる豊かな地域社会』を創造すること」と定めています。本会はこの最新の指針を基本視点に据え、①住民ニーズ基本の原則、②住民活動主体の原則、③民間性の原則、④公私協働の原則、⑤専門性の原則、⑥個別支援と地域づくりの一体的展開の原則という6つの活動原則を遵守します。あわせて、①住民ニーズ・福祉課題の明確化、②住民活動の推進、③包括的な相談支援、④権利擁護支援、⑤多様な居場所・社会参加の場づくり、⑥社会資源の創出・改善、⑦公私のネットワーク化・連絡調整、⑧災害等非常時の支援、⑨調査研究・提言、⑩組織経営・基盤強化という10の機能を最大限に発揮することで、地域の特性を生かした活動を展開します。

本計画は、本会の経営ビジョンや進むべき方向性を明らかにし、組織、事業、財務等に関する具体的な方策を推進することで組織の発展・強化を図るものです。また、住民の暮らしを支える「第4次奥州市地域福祉活動計画」の実効性を担保する経営戦略としての役割も兼ねています。さらに、市の「第4期奥州市地域福祉計画」等の行政施策と密接に連携し、強固なパートナーシップのもとで「地域共生社会」の実現をより確かなものにします。

各計画のイメージは、次のとおりです。

4 計画の体系及び策定方法

本計画では、部門戦略別に5年間で到達すべき目標を「今後の目標」、目標を達成するための具体的な推進方法を「具体的な行動」として、年次ごとに計画しています。

策定に際しては、法人の持続的な経営と地域課題への即応性を高めるため、内部組織による主体的な検討体制を構築しました。具体的には、経営判断を担う管理職による「策定部会」と、現場の実務に精通した補佐・係長級職員による「作業チーム」が中心となり、実効性の高い計画案の作成にあたりました。

5 計画の策定項目

次の項目を策定の柱とします。

(1) 信頼ある組織・機構づくりと事業推進体制の見直し

①支所相談窓口の機能強化②機構・業務体制の検証

(2) 法人運営と職員管理・育成の強化

①職員行動指針の共有と実践の定着 ②業務効率化と適材適所の基盤づくり ③安定的な給与体系の構築 ④人材育成の強化 ⑤働きがいのある職場づくり ⑥戦略的な人材確保と次世代育成

(3) 効果的な事業運営と財政基盤の確立

①適正な財政管理 ②適正な資産管理 ③会費納入率向上と住民理解の促進 ④計画的な施設管理運用と財源確保

(4) ニーズに基づいた事業展開と評価及び支援体制の確立

①3部門の事業方針の設定(法人運営部門、介護福祉部門、生活支援部門、児童福祉部門) ②災害対応の強化

6 計画策定の視点

◆ 計画の目標

  • 本会の社会的意義を明確にする。
  • ガバナンス(統治・支配・管理を示す言葉で「健全な法人経営を目指す、法人自身による管理体制」をいう。)の強化と見える化・見せる化により透明性を確保する。
  • ダウンサイジング(スリム化)を図っていく(組織・機構•財政・事務・事業等々)。
  • 財政基盤の充実と強化を図る。

◆ 計画策定のポイントとして

  • 将来的に持続可能なしくみか。
  • 効果的な投資あるいは、効率的な内容か。
  • 恒常的に安定した望まれる市民サービスの提供か(ニーズ)。
  • 公益性公平性の観点が維持されているか。
  • 組織にマッチした内容であるか、実現できる裏付けはあるか。
  • 頑張れば達成可能なレベルなのか、無理な内容になっていないか。
  • 地域のみのオリジナルではないか、一方で本会らしさ、独自性、自主性はどうか。
  • コスト(経済的、時間的、肉体的、頭脳的、精神的)はどうか。

◆ 策定の考え方

  • 10年後のありたい姿を共通理解する。
  • 実現可能な5年目をプランニングする。
  • 5年後のあるべき姿にむけ立案していく。
  • グループワークで課題を全て提案する。

7 計画の進行管理と評価

(1) 進行管理及び評価の時期と方法等

発展・強化経営計画の進行管理及び評価においては、PDCAのマネジメントサイクルを組織内に確立します。

計画に基づく実績等を評価し、計画の進行管理を行い、その結果を次年度以降の事業展開に反映させます。

また、必要に応じて外部有識者による評価の導入を検討します。

① 進行管理

職員の責任者及び担当者を定め、事業単位等で経営計画進行管理表を用い、四半期(もしくは毎月)、中間、年度の定期に進捗状況を把握します。

② 自己評価

進行管理表にもとづき進捗状況を確認し、目標値に照らし業務執行状況を評価します。計画と実績に乖離がある場合は、原因と課題を把握したうえで課長会等で早期の対応を行い、さらに三役会議、理事会の開催時に、報告及び評価をします。

③ その他の(外部)評価

自己評価等の結果について、監査時に報告します。

④ 公表

設定した目標値に対する実施状況について、状況をとりまとめ、毎年度理事会及び評議員会で進捗状況及び評価について報告をします。また、福祉だより及びホームページで公表します。あわせて、必要によっては、住民福祉懇談会において周知及び公表します。

(2) 進行管理表

適宜な様式を別途定め、各職員が適切に確認てきるものを作成します。

第2章 基本理念及び計画体系

1 社会福祉法人奥州市社会福祉協議会の基本理念(ビジョン)

だれもが心の豊かさと幸せを実感できる「福祉のまち奥州市」をめざして

新たな福祉のまちづくりにあたっては、だれもが「この地域に住み続けたい」願いをかなえるため、市民一人ひとりのふれあい、ささえあい、たすけあい、わかちあい、かたりあいの輪をひろげ、みんなが心の豊かさと幸せを実感できる「福祉のまち奥州市」をつくります。

  1. 市民の福祉に対する願いに応え、「みんなと交わる」ことを大切にしながら、親しみに満ちた福祉活動をめざします。
  2. 市民の福祉に対する関心を高め、「みんなとともに楽しむ」ことを大切にしながら、市民参加による福祉活動をめざします。
  3. 市民の福祉に対する理解を深め、「みんなのために役立つ」ことを大切にしながら、よりよい自立に向けた福祉活動をめざします。
  4. 市民の福祉にかかわる活動をしている人たちと手を結び、「みんなのための福祉」のあるべき姿を考え、市民の信頼に応える福祉活動をめざします。
平成17年10月12日制定

2 奥州市社会福祉協議会発展・強化経営計画の体系図

第3章 実施方針の具体的な行動計画

1 信頼ある組織・機構づくりと事業推進体制の見直し

(1) 支所相談窓口の機能強化

【担当課:総務財政課/地域福祉課】

令和3年度から令和7年度の発展・強化経営計画により、各支所の事務機能を本所に集約して、組織のスリム化を進めてきた。しかし、本所中心の体制となったことで、職員が地域へ出向くまでの移動時間が増加し、相談への迅速な対応が困難となったり、地域で継続的に支援に関わるための体制も十分に機能しにくいなどの状況にある。

特に、「断らない相談窓口」としての役割が求められる重層的支援の対象となるような複雑・複合化した生活課題では、即時の相談対応や継続的な伴走支援が不可欠である。現状では、職員が地域に窃着して住民と向き合う時間を十分に確保しにくく、事案の発生から解決まで寄り添える体制の再構築が求められている。

本所に集約された事務基盤は維持しながら、支所を地域福祉コーディネーターの活動拠点として活用することを検討する。

また、支所があらゆる相談を受け止める「断らない相談窓口」として機能を発揮できるよう体制を強化し、重層的支援を地域に根差した形で推進する。

地域で継続して支援に関わるため、地域福祉コーディネーターの活動拠点を支所に配置する体制を検討する。また、支所に駐在する職員と重層的支援を担う職員の役割分担を明確にし、窓口の相談対応力向上に向けて試行的な取組を行う。

現場で把握した生活課題やニーズを本所事業へ円滑に反映させるための情報共有体制を構築し実施する。

対象者に最も近い場所で継続的な支援を行うことで、支援の遅れや取りこぼしを防止できる。また、地域福祉コーディネーターが地域ニーズを早期に把握し、相談を受けた段階から関係職員が連携して対応することで、課題の早期解決につながり、地域住民からの信頼の向上にもつながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 支所を地域福祉コーディネーターの活動拠点とした運用のあり方を検討する
  • 窓口対応力の強化に向けた準備を行う
令和9年度
  • 前年度の検討内容に基づき、支所を拠点とした相談対応や役割分担を試行的に実施する
  • 運用状況の検証を行う
令和10年度
  • 試行結果を踏まえた改善を行い、支所における「断らない相談窓口」としての体制を検討する
令和11年度
  • 支所での活動を通じて把握した地域ニーズを、本所の事業計画や施策へ円滑に反映させる仕組みを確立する
令和12年度

(2) 機構・業務体制の検証

【担当課:全課】

現在5課体制で運営しており、会費収納や募金活動などを通じて得られる地域関係者・企業との接点は、地域福祉推進にとって重要な情報源となっている。しかし、これらの情報が課をまたいで十分に共有されず、組織全体として活用しきれていない状況がある。これらの課題が、機構の構造そのものに起因するのか、業務の配分や運用方法に起因するのか、現行体制の妥当性を検証する必要がある。

現行の5課体制が、地域福祉推進や相談支援の実態に即したものとなっているかを、機構と業務の両面から検証する。特に、課をまたいで発生する課題が組織構造に起因するのか、業務分担や役割分担に起因するのかを整理し、必要に応じて機構の見直しや業務再編の方向性を検討する。

各課の業務や役割、情報の流れを整理し、課題が生じている要因を明らかにする。あわせて、会費・募金活動で得られる地域情報の活用状況や、課をまたぐ連携の実態を検証し、情報共有を妨げている要因を把握する。これらの分析結果を踏まえ、課の再編や業務分担の見直しなど、必要な組織体制の改善策を検討する。

機構や業務分担を構造的に見直すことで、情報の分断や支援の遅れを防止できる。また、課をまたぐ課題の原因を明確にすることで、組織として最適な体制を構築でき、相談対応の迅速化や支援の質の向上につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 現行5課体制の機構・業務の実態把握と課題分析
令和9年度
令和10年度
  • 課題の原因整理(機構・業務分担・役割分担の観点)と改善案の検討
令和11年度
令和12年度
  • 改善案の試行的実施と効果検証

2 法人運営と職員管理・育成の強化

(1) 職員行動指針の共有と実践の定着

【担当課:総務財政課】

事業の専門化・多様化が進む中で、本会全体の方向性と日常業務とのつながりが見えにくくなり、業務が部署単位で完結しがちな傾向がある。その結果、課題が生じても組織全体の問題として共有されにくく、職員の主体性や一体感が十分に育ちにくい状況が見られる。

本会の職員行動指針を全職員が共通の基盤として理解し、日常業務の中で実践できるようにする。職員行動指針を通じて、組織としての価値観や目指す方向を共有し、部署を越えて協力し合える体制を築く。

職員行動指針の内容と意図を全職員で共有し、日常業務の中でどのように実践するかを確認する場を設ける。あわせて、部署間での相談や情報交換が自然に行われるよう、日常のコミュニケーションを見直し、互いの業務を理解し合える環境づくりを進めることで、職員行動指針が組織全体に着実に根付くよう取り組む。

職員行動指針を基盤として職員が業務を「自分ごと」として捉え、主体的に行動することで、組織としての一体感が高まり、地域に貢献し続ける力強い組織へと成長する。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 職員行動指針の共有と実践方法の整理
令和9年度
  • 職員行動指針に基づく業務の実践・定着
令和10年度
令和11年度
  • 実践状況の評価と改善
令和12年度

(2) 業務効率化と適材適所の基盤づくり

【担当課:総務財政課】

組織のスリム化で職員数が減る一方、業務内容や最の見直しが進んでいないものもある。また、福祉の専門職に限らず多岐にわたる業務に対応するための職員情報(資格・経験・希望等)が整理されておらず、適材適所の配置が難しい状況にある。AIや各種システムにより定型的な事務作業の効率化が見込まれるものの、費用面の課題から導入が進まず、職員の負担増につながっている。

AIや各種システムの活用により業務の効率化を進めるとともに、職員情報をデータ化し、資格・適性・希望を踏まえた適材適所の配置につながる体制を照える。現行体制とシステム導入後の効果を、経費・業務負担・人材活用の観点から比較し、導入の可否を判断する。

各部署の業務棚卸しを実施し、AIツール(議事録作成、資料要約等)の試行運用を通じて導入効果を検証する。また、職員情報(資格・経験・希望等)のデータ化と一元管理を進め、業務効率化と併せて、職員が希望や適性に応じて活躍できる配置の検討に活用する。これらを踏まえ、組織に最適なデジタル化と人材活用のあり方を整理する。

業務効率化により職員の事務負担が軽滅されるとともに、職員情報のデータ化により適材適所の配置が進み、事業の安定運営と職員の定着につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 職員情報の整理・データ化
  • 全部署を対象とした詳細な業務の棚卸しを実施
  • AIツールの試行運用を通じて、どの業務に導入効果があるかを慎重に検討
令和9年度
令和10年度
  • 現行の事務体制とシステム導入後のコスト・利便性を比較検討し、最終的な導入の可否を決定
令和11年度
  • 導入を決定したシステムについて、実際の運用を開始
  • 職員への操作研修や活用支援の実施
令和12年度
  • システム導入による効率化の成果を検証し、その結果を次期中長期計画の策定に反映

(3) 安定的な給与体系の構築

【担当課:総務財政課】

最低賃金の上昇が続く中、市などからの補助金・委託金単価が据え置かれており、給与規程の見直しが十分に行われていない。その結果、他法人や民間企業の給与水準が上昇する中で、本会の給与が相対的に低くなり、人材確保が一層困難になっている。給与水準や処遇の遅れは、安定した事業運営に影陛を及ぼしかねない課題となっている。

給与財源を可視化し、最低賃金上昇を見据えた中期的な給与体系の見直しを行う。給与だけでなく、福利厚生や働き方改善と組み合わせた総合的な処遇改善を進める。

将来的な処遇向上に向けた給与規程の見直しを行うため、市などからの補助金・委託金等の財源の棚卸しや最低賃金上昇の影響を分析しながら、持続可能な給与改善ロードマップを策定する。また、必要に応じて市への相談や協議を並行して進める。

財源状況に基づいた着実な給与改善を進めることで、経営の安定と、職員が将来にわたり安心して働き続けられる環境を両立させる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 給与財源整理・最低賃金の上昇にともなう影響を試算
  • 新たな処遇改善施策の検討
令和9年度
令和10年度
  • 給与規程改正案の作成
  • 新たな処遇改善施策の導入と制度運用の開始
令和11年度
  • 運用状況の評価と追加改善の検討
令和12年度
  • 実施結果の評価および次期中長期計画への反映

(4) 人材育成の強化

【担当課:総務財政課】

資格取得やスキルアップが処遇にどう結びつくかが不明確で、体系的な育成計画や中堅層向けの学習機会も不足している。異動希望調書の活用が不十分で、職員面談も設問や進め方が統一されていないため、育成支援や今後の働き方の希望を把握する仕組みが機能していない。さらに、定年延長制度や嘱託職員から正規職員への任用替え基準が明確でなく、将来の働き方を見通しにくい状況にある。

職員研修委員会を中心に、成長段階に応じた研修体系を再構築し、継続的に改善できる体制を整える。資格取得助成制度の再整備と周知を進めるとともに、面談の設問や進め方を統一し、誰が担当しても一定の質で対応できる仕組みを整える。また、定年延長制度や任用替え基準の検討を進め、将来を見通しやすい環境を盤える。

職員の成長段階に応じた研修体系を整理し、資格取得支援制度の周知を進める。あわせて、職員面談の対応を統一する管理職研修を実施し、育成支援の質を向上させる。さらに、定年延長制度への対応方針や嘱託職員から正規職員への任用替え基準を賂理し、将来の働き方を見通しやすい仕組みを整える。

計画的な育成と将来を見通せる仕組みを整えることで、専門性と組織力が向上し、職員が安心して働き続けられる環境が強化される。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 職員研修委員会を組織
  • 職員の資格取得に対する意識調査を実施
  • 管理職の面談内容統一のための研修
  • 定年延長制度・任用替えに関する現状整理
令和9年度
  • 専門職研修に加え、年代・職務年数・職歴ごとに受講すべき研修項目を検討する
  • 任用替え基準の検討開始
令和10年度
  • 研修計画の策定
  • 新研修体系を一部試行
令和11年度
  • 試行結果を分析し、改善点を整理
  • 定年延長制度への対応方針案の作成
  • 任用替え制度の導入準備
令和12年度
  • 全体の実施結果を評価し、次期中長期計画へ反映

(5) 働きがいのある職場づくり

【担当課:総務財政課】

価値観の多様化が進む中で、幅広い年齢層で構成される職員間のコミュニケーションが不足しており、世代間の認識のずれがハラスメントの潜在化や離職につながるリスクとなっている。また、部署ごとのサボート体制の差により、若手職員が孤立しやすい状況が生まれている。

職員が安心して意見を伝え合える職場づくりを進め、困りごとやトラブルの芽を早期に把握し、解決できる体制を整える。

職員の孤立を防ぎ、離職リスクを低減するために、新任職員が相談できる先輩を配置するメンター制度の導入を検討する。あわせて、内部で抱え込みがちな悩みを早期に把握し、問題の深刻化を防ぐため、必要な職員に対して外部相談員による定期面談を実施する。さらに、世代間の価値観の違いを理解する研修やハラスメント防止研修など、コミュニケーション向上に向けた研修を実施する。また、職員の声を組織運営に反映し、働きやすさを高めるために、業務改善提案制度の導入を検討する。

新任職員への支援体制と対話を重視した取り組みを進めることで、世代間の壁を越えた協力関係が生まれ、安心して働ける職場が実現する。これにより、離職防止と組織の持続的な成長につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 各研修の実施(世代間、階層別)
令和9年度
  • メンター制度、業務改善提案制度の導入検討
令和10年度
  • メンター制度、業務改善提案制度の運用・改善
令和11年度
令和12年度
  • 取り組みの評価早期発見・早期解決につながる体制の強化

(6) 戦略的な人材確保と次世代育成

【担当課:全課】

少子高齢化による労働人口の減少に加え、福祉業界全体で人材確保が困難を極めている。特に新卒応募者の減少が著しく、将来の組織を支える若手職員の確保が急務である。また、従来の求人媒体主体の募集では、本会の雰囲気や仕事のやりがいが十分に伝わっておらず、地域内での進路選択肢として認識されにくい現状がある。

実習生を将来の採用候補者と捉え、一部の部署に偏っていた受け入れ体制を改め、本会全体で積極的に受け入れる体制を構築する。また、福祉教育事業や広報活動を強化し、「選ばれる法人」としての独自の魅力を発信することで、学生や若年層との多層的な接点を創出する。

全課体制での実習拡充と整備
全課で実習生を受け入れ、特定の部署に偏らない体制を構築する。充実したプログラムにより満足度を商め、本会への関心と理解を深める。
・若年層向け戦略的広報の展開
学校訪問の強化に加え、SNS等で若者視点の情報を発信する。職場の雰囲気ややりがいを直接伝え、本会への注目度を最大化する。
・地域事業を通じた学生との接点拡大
福祉教育やこども食堂等に全職員が参画する。多面的な交流を通じて学生との接点を増やし、自然な形で本会の魅力を伝える。

全課での実習受け入れや「こども食堂」等の地域事業を通じた多角的な学生交流を推進することで、仕事のやりがいを肌で感じてもらうとともに、入職後のイメージを具体的に持ってもらう。これにより、自分らしく働けるイメージを共有し、定着への意欲を高める。またSNS等を活用した戦略的な広報と現場での直接体験を連動させて、独自の魅力を最大化させることで、将来の組織を支える若手人材の安定的かつ継続的な確保を実現する。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 若年層のニーズに合わせた広報(SNS等)の刷新
  • 求人媒体の検討
令和9年度
令和10年度
  • 新たな求人媒体での職員募集を開始
令和11年度
令和12年度
  • 5か年総括

3 効果的な事業運営と財政基盤の確立

(1) 適正な財政管理

【担当課:総務財政課】

本会では、地域福祉の根幹を支える各事業の継続を最優先に運営してきたが、事業単体での収支均衡が図れないまま継続している事業も見受けられる。その赤字が本会全体の財政を圧迫し、繰越金の確保が困難となるなど、将来的な持続可能性に影響を及ぼす状況が生じている。

各事業の財政状況と収支構造を照理・可視化し、事業ごとの課題を明確にしたうえで、計画的な財政運営を行う。

財務管理の仕組みを照備し、改善と見直しを継続的に行う体制を構築する。

各事業の収支状況や財源構造を分析し、会費・補助金・助成金などの使途が適正であるかを点検する。また、分散している資金管理を整理し、全体の資金の流れを把握しやすくする仕組みを整える。さらに、予算編成や執行管理、中長期見通しの作成などの財務管理ルールを整備し、定期的に検証することで、将来の財政運営に備えるための方針を整理する。

財政状況を客観的に把握し、改善を重ねることで、本会全体としての経営の安定化が図られる。また、限られた財源を効果的に活用することで、事業の質を維持しながら持続可能な運営が可能となる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 財務管理体制の整備
  • 基礎データの整理、収支分析
令和9年度
令和10年度
  • 財源見直し
令和11年度
  • 改善後の仕組みによる運用
  • 効果検証、事業整理検討
令和12年度
  • 成果総括、次期計画反映

(2) 適正な資産管理

【担当課:総務財政課】

動産及び不動産の管理が部署ごとに行われており、本会全体として資産の現状や活用状況を十分に把握できていない。また、不要資産の判断基準や福祉基金の運用ルールが末整備であり、資産の有効活用や将来に向けた財政基盤の確保に課題がある。

資産管理の責任体制を明確にし、本会全体で資産を把握・管理する仕組みを構築する。あわせて、不要資産の整理や基金の適正運用を進め、資産の有効活用を図る。

動産及び不動産の台帳を整備して一元的に管理するとともに、不要資産の判断基準を定め、計画的な整理を進める。また、福祉基金の取り崩しJレールを策定し、資産の貸付、売却及び用途転換など活用方法について検討を行い、資産の適正管理と有効活用を図る。

資産状況を正確に把握することで、維持管理コストの適正化や財政リスクの軽減につながる。また、資産の有効活用により、財政基盤の強化が期待される。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 現況調査、管理責任明確化
令和9年度
  • 基準・運用ルール策定
令和10年度
  • 改善策実行
令和11年度
  • 効果検証
令和12年度
  • 資産運用の効率化に関する最終検証、次期計画反映

(3) 会費納入率向上と住民理解の促進

【担当課:総務財政課/地域福祉課/介護事業課】

少子高齢化や世帯数減少の影響により、会費納入率は年々低下してきている。また、本会の地域福祉活動や会費の使途が十分に理解されておらず、住民の関心が薄れつつある。

会費の使途や社協の役割を分かりやすく伝え、住民理解を深めることで納入率の向上を図る。

図解や動画などを活用して会費の使途を視覚的に伝えるなど広報を強化するとともに、地区別の納入状況を分析し、地域ごとの課題を把握する。あわせて、地域福祉活動の現場において丁寧な説明や協力依頼を行い、住民の理解と参加を促進する。

本会の地域福祉活動への理解が深まることで、会費の意義が共有され、地域全体で支え合う意識の醸成につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 分析、広報強化
令和9年度
令和10年度
令和11年度
  • 改善状況検証
令和12年度
  • 5年間の納入率推移を総括
  • 持続可能な会費制度を次期計画へ反映
年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 住民組織の役員交代に合わせた説明会の実施、働きかけ
令和9年度
令和10年度
令和11年度
令和12年度
  • 5年間の納入率推移を総括
  • 持続可能な会費制度を次期計画へ反映

(4) 計画的な施設管理運用と財源確保

【担当課:総務財政課/地域福祉課/介護事業課】

施設の老朽化により修繕費が増加している一方で、中長期的な修繕計画の整備が求められる。将来必要となる資金の見込みが立てられない状況にある。また、補助金の条件や活用方法の検討が十分でなく、自主財源の確保も進んでいないため、修繕や法人運営に備えた積立が十分に行えていないことが課題となっている。

中長期的な視点で修繕・資金運用を計画し、補助金の最大活用と自主財源確保を進める。

中長期維持管理計画の策定を検討するとともに既存補助金の条件見直し・活用改善を進める。

自主財源として介護保険外サービス等の調査を行うとともに、補助金情報の収集体制を強化し、多角的な財源確保に向けた具体的な施策を検討する。

計画的な資金管理により突発的な財政負担を軽減できる。また、多角的な財源確保により事業の持続性が高まり、安定した運営につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 既存補助金の条件・運用ルールの確認と課題整理
令和9年度
  • 既存補助金の改善提案・申請方法の見直し
令和10年度
  • 補助金活用状況の検証と改善
令和11年度
  • 既存補助金の活用効果を評価し、次年度改善案を作成
令和12年度
  • 5か年の補助金活用状況を総括し、次期計画へ反映
年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 介護保険外サービスの展開可能性を調査
令和9年度
  • 保険外サービス(家事支援等)のガイドライン作成
令和10年度
  • 限定エリアでのモデル事業を実施
令和11年度
  • 事業収益による自主財源確保状況を検証
令和12年度
  • 介護保険外サービスの全域展開5か年の事業収益状況を総括し、次期計画へ反映
年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 補助金情報の収集体制を整備
令和9年度
令和10年度
令和11年度
令和12年度
年度実施する事項・目標等
令和8年度
令和9年度
令和10年度
  • 施設の活用状況を踏まえた運営方針の検討を開始
令和11年度
  • 民間活力導入や運営主体の移管可能性を検討
令和12年度
  • 施設運用の最終判断(集約化・移管等)

4 ニーズに基づいた事業展開と評価及び支援体制の確立

(1) 事業方針設定(部門別)

I 法人運営部門

【担当課:総務財政課】

江刺高齢者生産活動センターは、老朽化による維持管理負担の増大や土砂災害警戒区域内という安全上の課題を抱えている。また、施設運営の業務内容が本会の主要事業とは性質が異なることから、今後も本会が担い続けることの妥当性について、改めて検討が必要な状況となっている。

令和9年度末の指定管理期間終了を一つの節目と捉え、市と緊密に連携・協議を重ねながら、本会による受託のあり方を見直す。

地域における施設機能の重要性を踏まえ、地区振興会や他団体への移管について、市が主導する検討の過程に参画し、実務的な知見をもとに助言・支援を行う。

市に対して現在の運営課題を丁寧に共有した上で、移管や受託終了を含めた検討について協議を本格的に開始し、令和9年度末での円滑な合意形成と受託完了を目指す。

本会の役割を整理することで、経営資源を本来の福祉事業へ集中できる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 協議開始
令和9年度
  • 方針決定
令和10年度
  • 完了

II 介護福祉部門

【担当課:介護事業課】

本会が実施する介護事業では、利用者数の減少や介護報酬改定の影響により収益性が低下しており、ここ数年にわたり赤字計上が続いている事業所もある。一方で、人員配置基準や施設維持に係る固定賛は一定程度必要であるため、収支改善が進みにくい状況が続いている。こうした状況は本会全体の財政にも影響を及ぼしており、介護事業の在り方を中長期的な視点で見直す必要が生じている。

地域ニーズと経営状況の両面から事業内容を再検討し、本会の持続可能な運営体制の構築を目指す。特に、在宅生活を支えるサービスを中心に、事業再編と人材の有効活用を進める。

決算で赤字を計上した事業について、収支状況を精査して、改善期限と方向性を明確にするとともに、改善の見込みが立たない介護事業の縮小や廃止を含めた事業の見直しを進めて、在宅支援サービスヘ重点化を図る。また、複数事業に対応できる多機能型職員の育成と配置を進め、柔軟な人員運用を可能にする。さらに、加算取得の強化やサービス内容の見直しにより、収益改善を図る。

事業再編により、限られた人材と財瀕を効果的に活用でき、介護事業全体の収支改善が期待される。また、地域の在宅ニーズに即したサービス提供により、利用者満足度の向上にもつながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 赤字事業に対する調査、検討
令和9年度
  • 改善期限、方針を設定
  • 方針に基づき随時実施
令和10年度
令和11年度
令和12年度
  • 5か年の経営改善結果を検証し、持続可能な運営体制が確立されたか評価実施
年度実施する事項・目標等
令和8年度
令和9年度
  • 「多機能型職員」としての発令(各施設を兼務できる体制への切り替え)(柔軟な配置転換)
令和10年度
  • 現場の状況に合わせ、多機能型職員の施設間ローテーションや柔軟な配置を実行
令和11年度
令和12年度

III 生活支援部門

【担当課:生活応援課】

単身世帯や身寄りのない高齢者の増加により、死後事務(葬儀、納骨、家財処分、行政手続き等)への支援ニーズが高まっている。一方で、支援対象や支援範囲、賀用負担や財源の整理が進んでおらず、本会としての役割や対応方法を明確にする必要がある。

死後事務に関する支援内容を整理し、本会として提供可能な支援範囲を明確にする。支援に伴う法的な責任や手続き上のリスクを照理したうえで、安心して利用できる支援体制を構築する。また、事業の収支や必要な職員体制の把握、活用できる費用負担の仕組みを整理し、持続的に運営できる体制を検討する。

死後事務に関する取り組みについて、まず情報収集とニーズ調査を行い、支援範囲や業務内容を整理した支援マニュアルを作成する。あわせて、弁護士などの専門家と連携しながら業務運営の体制を整え、モデル運用を通じて課題を把握し、より実効性の高い支援方法と財源確保の仕組みを検討していく。

マニュアルを整備することで、本会としての支援体制を確立できる。令和12年度の運用開始に向けてモデル運用を重ねることで、利用者の将来的な不安を軽減し、継続的な安心につなげることができる。また、事業としての持続性や自主財源化の可能性についても検証できる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • ニーズ調査、法的整理
  • 財源モデルの検討
令和9年度
令和10年度
  • マニュアル作成
  • 費用試算と収支計画の作成
令和11年度
  • モデル運用開始
令和12年度

IV 児童福祉部門

【担当課:こども福祉課】

少子化の進行により、今後5年間で放課後児童クラブの登録児童数の減少が見込まれ、運営体制への影響が想定される。現在は職員配置と補助金のバランスが保たれているものの、100人規模の職員体制を今後どのように維持・再編していくかが課題となっており、将来的な雇用の安定確保に向けた検討が必要である。

将来的な児童数の推移を見据え、適正な職員配置と事業内容の見直しを行う。あわせて、魅力ある事業・プログラムを展開し、指定管理の継続につなげる。

登録児童数の将来推計を行い、必要となる支援単位数を整理したうえで、職員配置や雇用形態の見直しを進める。また、魅力ある事業・プログラムの企画・実施に取り組み、指定管理プロポーザルに向けた準備を進める。

事業規模の変化に対応した運営を行うことで、安定した雇用とサービス水準の維持が可能となる。また、保護者や地域から選ばれる児童クラプ運営につながる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 将来推計・体制検討
令和9年度
  • 事業・プログラム検討
令和10年度
  • 事業実施
令和11年度
  • 指定管理対応
令和12年度
  • 評価・見直し

(2) 災害対応の強化

【担当課:総務財政課】

本会では災害時にも事業を継続できるようBCP(事業継続計画)を策定しているが、現在の計画は机上訓練が中心で形式化しており、有事の際に十分に機能しないリスクを抱えている。現場の習熟度を高める実地訓練を継続し、その結果を計画に反映させる仕組みを確立することで、組織が迷わず行動できる「生きた計画」へと再構築する必要がある。

実地訓練を重ね、その結果を計画に反映することで、実効性の高い「生きたBCP」を構築する。

実地訓練の具体的な内容や回数などを検討して、実地訓練計画を作成する。

実地訓練に基づく計画の改善により、災害時の初動対応力が向上し、必要な事業の継続や早期再開に向けた判断と行動が確実に行えるようになる。

年度実施する事項・目標等
令和8年度
  • 継続訓練・改善
  • 実地訓練計画の作成
令和9年度
令和10年度
令和11年度
令和12年度

参考資料