人材育成基本方針

令和8年3月策定 資料ダウンロード

第1章 人材育成基本方針について

1 基本方針策定の目的と背景

社会福祉法人奥州市社会福祉協議会(以下「本会」という。)は、平成17年に「だれもが心の豊かさと幸せを実感できる『福祉のまち奥州市』をめざして」という基本理念(P.10参照)を策定し、市民一人ひとりがふれあい・ささえあい・たすけあいながら暮らせる地域社会の実現に取り組んできました。

年、地域における生活課題は多様化・複雑化し、従来の支援体制や分野別の対応では解決が困難な状況が生まれています。こうした状況を踏まえ、より一層の効果的かつ効率的な組織運営が求められていることから、令和3年に組織基盤の強化と法人経営の適正化を目的として「発展強化・経営計画」を策定しました。

この計画では、人材育成策の充実を重点項目の一つとして位置づけているところであり、令和3年に本会職員の取り組みとして職員行動指針(P.11参照)を策定して、具体的に職員が取るべき行動を明確にしてきました。

地域福祉の推進を着実に進めるためには、地域の声を丁寧に聴き取り、生活課題を広くとらえ、解決に向けて多職種と連携しながら知恵を出し合う職員の姿勢が不可欠です。また、地域住民や関係機関との協働を通じて、市民の主体的な参加を促進し、「みんなと交わり」「みんなとともに楽しみ」「みんなのために役立つ」福祉活動を推進する実践力が求められます。

人材育成基本方針は、職員一人ひとりが自らの役割や強み、将来像を意識的に描きながら成長していく過程を可視化し、組織として人材育成の仕組みを明確にして方向性を共有し、職員の成長や意欲の向上について、組織が一体となって取り組むことを目的として策定しました。

2 人材育成基本方針の位置づけ

本方針は、本会の基本理念及び職員行動指針に基づき、地域福祉の推進に必要な人材を計画的かつ継続的に育成するための基本的枠組みです。

「地域福祉活動計画」「発展強化・経営計画」「年度事業計画・年度予算」に掲げる方針や目標を着実に実現するには、これらを担う人材の成長と学びの循環を意図的に支える仕組みが欠かせません。

本方針は、それらの計画を推進する基盤であるとともに、職員一人ひとりが自身のキャリアを意識し、成長を可視化しながら組織の成果へとつなげていくものです。

【人材育成基本方針の位置づけ】

基本理念 心の豊かさと幸せを実感てきる福祉のまちづくり 実現 第4次地域福祉活動計画 (地域福祉の将来像・方向性) 第2次発展強化・経営計画 (組織運営の中長期的展望) 年度事業計画・年度予算 (具体的な事業展開と資源配分) 支える 人材育成基本方針 (成長の可視化と学びの循環を促す基盤)

第2章 職員像

1 求める職員像

本会が求める職員像は、社会福祉法人奥州市社会福祉協議会職員行動指針(P.11参照)のとおりです。

本指針は、発展・強化経営計画(令和3~7年度)において、ガバナンス(健全な企業経営をめざす、企業自身の管理体制)の強化や透明性の向上などを目的にして、行動指針案を職員から募集し取り組むこととしていたものです。令和3年度に職員行動指針案の職員募集を行い、29件の応募の中から、原案を選定して制定したものです。

また、この指針は、どの部署で働いても本会の職員として、共通した意識と連帯感を持てるよう策定したものであり、この指針に則り人材育成に取り組みます。

2 職位ごとの求められる役割と能力

職員それぞれの業務に取り組むことにあたって求められる能力を示したものです。

全職員がこれらの共通理解を持つとともに、必要な能力の習得、強化を図ることができるよう、日常業務や各種研修を通じて人材育成に取り組みます。

(1) 免許、資格等を有する職員以外の職員

事務局長

6級

上司の命を受けて、本会の経営及び運営の基本方針、重要な施策の決定に参画するとともに、本会事務事業を統括し、職員を指揮監督して本会事務を掌理する。

課長

6級 5級

事務局長を補佐し、上司の命を受けて、課所属職員を指揮監督するとともに、所管事務事業を掌理し、次の職務を司る。

  1. 課の主要業務の企画及び運営方針の策定
  2. 所管業務の執行計画の作成
  3. 課内の事務調整
  4. 課所属職員の指揮監督・指導教育及び人事管理

主幹

5級

上司の命を受けて、部下職員を指揮監督するとともに、課若しくは支所が所管する事務又は事業の特命事項の調査・企画・立案に参画し、これを処理する。

所長

5級 4級 3級

課長を補佐し、上司の命を受けて、所内所属職員を指揮監督するとともに、所管事務事業を掌理し次の職務を司る。

  1. 所の主要業務の企画及び運営方針の策定
  2. 所管業務の執行計画の作成
  3. 所内の事務調整
  4. 所所属職員の指揮監督・指導教育及び人事管理

室長

5級 4級 3級

課長を補佐し、上司の命を受けて、室所属職員を指揮監督するとともに、所管事務事業を掌理し次の職務を司る。

  1. 室の主要業務の企画及び運営方針の策定
  2. 所管業務の執行計画の作成
  3. 室内の事務調整
  4. 室所属職員の指揮監督・指導教育及び人事管理

支所長

4級 3級

課長を補佐し、上司の命を受けて所属職員を指揮監督するとともに、所管事務事業を掌理し次の職務を司る。

  1. 支所の主要業務の企画及び運営方針の策定
  2. 所管業務の執行計画の作成
  3. 支所内の事務調整
  4. 支所所属職員の指揮監督・指導教育及び人事管理

課長補佐

4級

課長、所長、室長等を補佐し、上司の命を受けて所属職員を指揮監督し、次の業務を司り、課長に事故あるとき、又は課長が欠けたときは、その職務を代理する。

  1. 所管事務の総括と重要事項の企画及び調査
  2. 所管業務を遂行するための指導、援助及び協力
  3. 所管業務処理計画の作成に係る調査及び事務処理状況の把握

副主幹

4級

上司の命を受けて、部下職員を指揮監督するとともに、課又は支所が所管する事務の円滑な推進に努め、特に高度な専門知識と経験を必要とする調査・企画・立案に参画し、所管する事務を処理する。

係長

3級

上司の命を受けて、係内職員を指揮監督するとともに所管事務を掌理し、次の事務を掌る。

  1. 上司の命による所管業務の処理
  2. 業務処理方法及び方針の明示並びに係員の指導監督
  3. 課又は支所の主要業務の企画及び運営方針の策定に参画し高度な専門知識と経験を必要とする事項を担任する。

主任

3級 2級

上司の命を受けて、課又は支所の特定業務の処理に参画し、高度な専門知識と経験を必要とする事務を担任する。

主事

2級 1級

上司の命を受けて、課又は支所の専門的知識経験を必要とする事務を担当する。

(2) 免許、資格等を有する職員

主任介護支援専門員、主任放課後児童支援員、主任コーディネーター、主任相談支援員等

3級
規律・責任
本会の職員として関係法令や社会規範、服務規律を理解し、遵守するとともに、自らの職責を自覚し、公正に職務を遂行することができる。
知識・技術
業務内容に沿った専門的技術、指導方法等を習得し、状況に応じて発揮することができる。
コミュニケーション・理解
上司や部下と良好な関係性を構築し、関係者や市民等に適切な説明を行うことができる。
業務遂行
資格、技術等の専門性を発揮するとともに、積極的に創意工夫と改善をしながら指導性を発揮し、業務に取り組むことができる。

介護支援専門員、訪間介護員、居宅援助員、生活相談員、指導員、看護職員、機能訓練指導員、介護職員、栄養士、調理員、運転手、放課後児童支援員、オペレーター、相談支援員、就労支援員等

2級
規律・責任
本会の職員として関係法令や社会規範、服務規律を遵守し、公正に職務を遂行することができる。
知識・技術
業務内容に沿った専門的技術を習得し、状況に応じて発揮することができる。
コミュニケーション・理解
上司や同僚と良好な関係性を構築し、関係者や市民等に適切な説明を行うことができる。
業務遂行
資格、技術等の専門性を発揮するとともに、積極的に創意工夫と改善をしながら業務に取り組むことができる。

第3章 人材育成の基本的方策

1 人事・育成に関する基本

本会では、組織の持続的な成長と活性化を図るため、次の3点を人事・育成に関する基本とします。

  1. 職員の能力、資格及び経験等の特性に応じた適材適所の人員配置
  2. 福祉・介護に関する高い専門性を有する職員及び幅広い知識と多角的な視点を持つ職員の育成により、職員一人ひとりのキャリアプランを支援
  3. 様々な事業を展開する本会において、物事を広範に捉えることができる人材の育成に向けた、部門間の人事異動

2 目標管理のための面談の実施

業務の質を高め、職員の成長を促すため、職員一人ひとりが年度始めに業務に関する目標を立て、年度途中及び年度末に所属長等との面談を実施し、自己評価も行いながら進捗管理を行うという、職員面談を実施します。

また、職員のキャリアビジョンを共有できるような異動希望調書の内容とし、適材適所の効果的な人事配置を行い、職員のキャリアプラン実現を目指していきます。

3 転換・昇任・降任制度

職員の職務内容については、「事務組織規程」及び「職員の標準的な職及び標準職務遂行能力を定める規程」に、昇格及び降格については「職員の給与規程」に定められています。

また、嘱託職員については、「職員就業規則」において正規職員への転換について定められています。規定されている要件を満たし、転換を希望する場合は、転換試験を受けることができます。

これらの規程等を職員に対して平等かつ適切に取扱うことで、組織運営の透明性を高めるとともに、職員が制度を積極的に活用できる環境を整え、役職にふさわしいスキルを備えた人材の登用及び職員のキャリアアップにつなげていきます。

一方、心身の状況等の理由により、職員が降任を希望する場合については、個々の事情に応じて個別に対応していきます。

(次項「主な階層別の転換・昇任方法とイメージ」参照)

【主な階層別の転換・昇任方法とイメージ】 管理職(課長•主幹) 選考昇任 諜長補佐.係長級 選考昇任 正規職員 登用試験 採用試験 嘱託職員 採用試験 応募

4 再雇用職員の持つスキル・ノウハウの継承

定年後の再雇用制度の実施や定年延長の制度検討を通じて、職員が長年培ってきた経験、知識、技術、そして幅広い人脈などを、組織の持続的な発展に活かしています。個々の職員の希望や面談結果を踏まえ、再雇用職員として適材適所に配置するとともに、現役として活躍できる期間の在り方を柔軟に検討し、日常業務を通じたスキル・ノウハウの継承を促進します。これらの取り組みにより、次世代を担う職員の育成を強化し、組織の持続的な発展につなげていきます。

5 専門資格の取得•更新に関する各種支援制度

業務遂行のために必要な資格を取得•更新する場合において、その経費の一部を助成する制度を設けており、職員の資質の向上及び良好な職務遂行を目指します。また、介護業務従事職員等の資質向上のため、資格取得のための助成や支障なく受講できるよう必要な対応・支援を行います。

6 職員研修の実施

職員研修委員会を設置し、職務内容等を踏まえるとともに、職員の意見を広く取り入れながら、資質向上の目標及び具体的な研修計画を策定し、研修の実施と研修機会の確保に努めます。

(1) 職員研修の基本

  1. 新任、中堅、管理職等、階層別に求められる研修を推進します。
  2. 各専門職に求められる固有のスキル向上を目的とした研修に加え、必要な基礎知識を習得するための全体研修を推進します。

(2) 主要な研修テーマ

  1. 職位や職種に応じて必要となる業務の知識・技術を習得するための研修を推進します。
  2. 職場内外で円滑な人間関係を築く力を養う研修を推進します。

(3) 研修手法

職務を通じての研修【OJT(On the Job Training)】
最も効果のある基本的な研修として捉え、全職員に周知しながら研修を推進します。
職務を離れての研修【Off-JT(Off the Job Training)】
内部研修(本会主催)と外部研修(他機関主催)の2つがあります。体系的・継続的な人材育成・組織開発をねらいとする職位別、専門分野別、課題別に実施します。
自己啓発支援制度【SDS(Self-Development System)】
職員が自らの意思で知識やスキルを高める取り組みに対して、組織として積極的に支援します。
  • 職員資格取得経費の助成
  • 介護業務従事職員等の資質向上に係る支援

7 働きやすい環境づくり

職員が安心して働ける職場環境を整えるため、ハラスメント防止やメンタルヘルス対策を含む支援体制を強化し、働きやすさと人材の定着・育成を両立する仕組みづくりを推進します。

(1) 仕事と生活の両立

ワーク・ライフ・バランス(※)の実現を目指し、子育てや親の介護などの事情を抱えても、職員が安心して働き続けるための職場環境の整備に取り組んでいきます。そのために、育児休業、育児短時間休業、介護休暇など各種制度の利用を働きかけることはもちろん、研修等を通じて職員の意識向上も図っていきます。

※仕事と生活の調和のこと

(2) 時間外勤務の縮減

時間外勤務の縮減は、職員の健康対策やワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、重要な課題です。また、法令順守の観点からも労働時間は適切に管理する必要があります。ノー残業デーの設定などの取り組みを継続するとともに長時間労働が発生している職場へは直接的な働きかけを行うなど、組織全体で時間外勤務の縮減に取り組みます。

(3) ハラスメント対策

「セクシャルハラスメント・パワーハラスメント相談員設置規程」及び「ハラスメント対策委員会設置規程」を制定し、相談窓口及びハラスメント対策委員会を設置しています。この対策委員会では、アンケートの実施とその結果に基づく対策の検討、ハラスメントが起こりにくい職場環境の整備、研修の企画・立案などを行っています。また、職員への啓発活動を通じて、誰もが気軽に相談できる環境づくりを推進し、問題の早期発見・解決につなげることで、適切な対応による事態の収束と、実態把握による効果的な対策を進めていきます。

(4) メンタルヘルス対策

日々の多忙な業務や人間関係によるストレス、不安や悩みを抱える中で、心身の健康を守り、安心して働き続けられるよう、メンタルヘルス相談室を開設し、相談できる環境づくりを進めます。

参考資料